【建築とファッション?】建物に着想を得たファッション4選

大手のアパレル企業は、素晴らしい建築から着想を得て、ファッションを素晴らしい芸術作品へと高めることに成功しました。
【建築とファッション?】建物に着想を得たファッション4選

最後の更新: 24 8月, 2020

建物に着想を得たファッションコレクションは、ファッションが建築からどのように刺激やインスピレーションを受けたのかを理解できる素晴らしい例であることは間違いありません。

ファッション業界は建築から多くのインスピレーションを受けていますが、ファッションと建築はお互いが刺激を与え合う関係とも言えます。またデザイナーたちは建築とファッションの間に生まれるつながりや相互作用を模索しているのです。

さらにデザイナーたちは、ファッションと建築のどちらもが持つ目的について研究を行なっています。つまり、ファッションと建築は、どちらも人間の体を保護するという共通の目的を持っています。そしてデザイナーは、創作段階において、視覚面でのどのような影響を与えるかについても焦点を当てています。

ファッションデザイナーは、ミニマリズム、モダニズム、ポストモダニズムなど、さまざまなムーブメントやスタイルから刺激やインスピレーションを受けます。そして、特性や、折り目、曲線、エンボスなどの幾何学的な要素などを楽しんで取り入れます。

さらに、ファッションの中には世界中のある建物からインスピレーションを受けたものもあります。今回の記事では、建物から着想を得た最も興味深いファッションコレクションをいくつか見ていきましょう。

建物:ルイ・ヴィトンとルイス・バラガン

建物に着想を得たファッションコレクション4選 ルイヴィトン

最初にご紹介するのは、ルイヴィトンの2016年春夏コレクションです。ニコラ・ジェスキエールがディレクターを務めたこのコレクションは、ファッションと建築の結びつきを説明する良い例となります。このファッションコレクションは、有名なメキシコの建築家であるルイス・バラガンの作品である「サン・クリストバルの厩舎」から着想を得たものでした。

このコレクションでは未来的なモノクロファッションを特集し、背景には滑らかなピンクと紫の高い壁が使用されました。さまざまな要素の組み合わせは、バラガンの感情に訴えるような建築に触発された色の模倣と言えるでしょう。

この春夏コレクションでは、レア・セドゥをモデルに、そしてパトリック・デマルシェリエをフォットグラファーに迎え、バラガンの息をのむようなスケールとカラーワークを捉えました。さらに、このコレクションで使われた背景の存在が、バラガンの作品に着想を得たことを十分に表していました。

「私は詩的な想像力を表現する崇高な方法として、建築に専念しました。それゆえ、美しさに触れたすべての人々にとって私はただの象徴にすぎません。」

ルイス・バラガン

ビクトリア・リトラ:建築の探検とファッション

建物に着想を得たファッションコレクション4選 探求

ヴィクトリア・リトラは、建築とファッションの関係を探求するドレスのコレクションをデザインしたギリシャの建築家です。彼女は建築がファッションに与える影響に焦点を当て、前衛的な作品を常に生み出しています。

有名な建築家であるヴィクトリアは、象徴的な建物を再現する作品を制作しています。野心的なファッション作品を作り出すヴィクトリアは、建築プロジェクト「Forms Follows Fashion」と協力しています。彼女は、曲線、線、または全体の形状が印象的な、建物の幾何学的形状の分析も行っています。

ヴィクトリアは、ハンブルクのヘルツォーク&ド・ムーロンによるエルプフィルハーモニーやニューヨークのフランク・ロイド・ライトによるグッゲンハイム美術館などの建物に刺激を受け、着想を得ています。

建物から着想を得たコレクション

建築 ファッション

ホンジュラスのデザイナーであるカルロス・カンポスは、スペインのサンティアゴ・カラトラバの建物にインスピレーションを得た男性用の春夏コレクションを発表しました。

カンポスは、これまでずっとスペインの建築家であるカラトラを賞賛しています。二人の最初の出会いはニューヨークシティバレエ50周年のステージングのサポートを依頼するため、カラトラバがカンポスを招待したときでした。

カンポスは、人間の胴体を連想させるようなカラトラバの建物に恋をしたと語っています。この建物は、スウェーデンにある高さ190メートルの住宅用超高層ビルで、ターニング・トルソと呼ばれています。

グオ・ペイ:ゴシック建築からのインスピレーション

建築 ファッション

ファッションデザイナーのグオ・ペイの素晴らしいコレクションは、オートクチュールと建築には「対話」があることも証明していると言えるでしょう。グオ・ペイは、ゴシック様式の建物、特にアーチや尖塔の並外れた美しさから着想を得たアイディアをファッションデザインに活用しています。

中国のデザイナーであるグオ・ペイは、自身の作品を「人体と空間的次元の間の対話」と表現しています。

建築物はその形を変えることなく、時間が着実に流れていきます。

グオ・ペイのコレクションで発表されたドレスは、建築の構造のように正確に作られています。それは、ゴシック様式の教会を想起させるような外に向かうデザインが、人々の目を引くドレスです。

グオ・ペイは、背が高く石が多く使われているゴシック様式の建物をデザイナーズファッションの作品へと変身させるというとてつもない挑戦に立ち向かいました。このプロジェクトでは、信じられないほどの才能とバラエティー豊かな技術の適用が求められました。困難な挑戦であったにも関わらず、建築とファッションを愛する人にとって最高の作品ができあがりました。

今回ご紹介したように、建築とファッションには深い結びつきがあり、時には、二つの道が一つになることもあります。

建築とファッションが生み出す美しい相乗効果は、素晴らしい最上級のファッションコレクションとして表現されています。これは、建築とファッションという2つの創造的な分野が、同じ目的を持っていることを証明していると言えるでしょう。