スペイン建築の代表作の一つ マラビーリャス体育館

28 10月, 2020
スペインを代表する建築家の アレハンドロ・デ・ラ・ソタが亡くなってから20年以上経ちますが、彼の残した建築物は今も我々の中に生きています。中でもマラビーリャス体育館は、スペイン建築で最も影響力のある作品の1つとして、現在も誇らしげな姿を私たちに見せています。

1962年に建設されたマラビーリャス体育館は、マドリードにある現代スペイン建築を代表する作品の一つです。この建物は、難しい地形への解決策として生まれました。

マドリードのグアダルキビル通りとホアキンコスタ通りの間には最大12メートルの大きな高低の差があるのですが、アレハンドロ・デ・ラ・ソタは、高さの違いを巧みに解決しつつ大変充実した設計計画を提案しました。デ・ラ・ソタは、細部に細心の注意を払い、考え抜かれたモジュレーション(変調)で問題を解決しました。建物の窓がモジュレーションを見事に反映しています。

非常に不均一な地形に立っていた私立のカトリックスクールであるマラビーリャス学園は、学校の拡張工事と体育館の設計をアレハンドロ・デ・ラ・ソタに依頼しました。彼は斜面を巧みに利用しました。地形上、この高低差のある場所には体育館が唯一の選択肢だったので、非常に大きな単一のスペースを持ち、片側からしか光が入らない建物を設計することが必要でした。

コンセプト

マラビーリャス体育館

マラビーリャス体育館は、前世紀のスペイン建築の最も重要な作品の1つであることは間違いないでしょう。この建物は、学校とホアキン・コスタ通りの間の高さ12メートルの隙間を埋めることを目的としていました。デ・ラ・ソタは、上部にある校庭の延長として体育館全体を設計しました。

体育館の上部は、建築物の正面部分であるファサードに対して垂直に走るトラス構造でできています。フレームワーク自体はいくつかの部屋をサポートしています。体育館をはじめとするいくつかの部屋はファサードと同じ側にあるため、自然光がたくさん入ります。

体育館上部の部屋には放物線上のトラスがあり、講堂として利用できます。ファサードは抽象的であり厳めしく、特定のスタイルを持ちませんが、都会の中にあって人目を惹きます。また、ファサードの上部は、校庭の防護柵という仕上げになっています。

大きな壁の開口部とレンガが優しく対話し、傾斜した天窓、テラス、金属の枠組みが調和するようデザインされています。アレハンドロ・デ・ラ・ソタは、シンプルな建築によって形と素材の純粋さを表現することを目指しました。

「私​​は常に建築を娯楽のような楽しみとして話すのが好きです。自分が喜んで行わなければ、それは建築とは呼べません。この喜びこそがまさに建築であり、得られる満足感なのです。建築による興奮は人を笑顔にし、人を笑わせます。人生はこうはいかないでしょう。」−アレハンドロ・デ・ラ・ソタ

マラビーリャス体育館のレイアウト

入口

この体育館には2つの入口があります。 1つは下の階にある通りからアクセスできるもので、もう1つは体育館の最上部にある上の校庭にあります。

地下

ロッカールームは、通りに面した地下にあります。更衣室に加えて、温度が管理されたプールとフィールドホッケー用のトレーニングコートが地下にあります。

1階

1階には多目的コート(バスケットボール、バレーボール、ハンドボールなど)があります。体育の先生やコーチのための教員室や事務室があります。

2階と3階

2階と3階は催しに使われます。同窓会のような会合から心理技術コースなどの特別クラスまで、様々な目的のイベントや式典を開催することができます。

上層階

上層階には学習をサポートする施設が入っています。会議場の他、自然科学物理学博物館や、ゲームや音楽や読書を楽しんだりするスペースもあります。

校庭

校庭は体育館の上にあり、元の校庭を拡張したものです。 ここでは生徒たちが自由に屋外で遊べます。

構造

マラビーリャス体育館

地下はコンクリート構造ですが、体育館の他の部分はシンプルなデザインの鉄のフレームです。アレハンドロ・デ・ラ・ソタは、ファサードに1本、それから土地の高低差がある場所にもう1本の柱を設置しました。この柱に、上部がまっすぐで下部が湾曲している三角形の大きな梁が支えられています。

多目的コートエリアには、高さ8メートルの柱があり、それらの柱は互いに6メートル離れています。柱は橋のような長さ20メートルの梁を支えています。

橋のような構造がジム全体の上に浮かびあがり、空間全体を光で満たします

マラビーリャス体育館は、スペイン建築の歴史に刻まれた、デ・ラ・ソタの簡潔簡素にして最高の建築の質を示す完璧な例でしょう。それは20世紀の建築の黄金時代を象徴しています。