スペインのアランフェス王宮の中を見てみよう

23 9月, 2020
古典主義の影響を受けた優雅な宮殿であるアランフェス王宮の中を見てみましょう。

アランフェス王宮について言及せずに古典について語ることはできないでしょう。王宮の中は見事なクラシックスタイルの装飾で溢れており、クラシックモダンなインテリアの参考にもなります。

この王宮を設計した建築家は、17世紀~18世紀にフランスで人気があったバロック様式の建築物よりインスピレーションを得ました。バロック様式の人気はスペインにまで広がっており、その影響はアランフェス王宮だけでなく、マドリード王宮にも見られます。

今現在のインテリアでも、クラシックスタイルのデザインは使われ続けられています。バロック様式は、当時の建築家だけでなく、今もなお世界中のインテリアデザイナーを魅了しているスタイルなのです。

アランフェス王宮の歴史

アランフェス王宮

アランフェス王宮は、16世紀にフェリペ2世の命で建設が始められました。建築家フアン・バウティスタ・デ・トレドによって設計が行われ、後にフアン・デ・エレラも設計に携わっています。

17世紀になり一時建築作業が滞っていましたが、18世紀のはじめフェリペ5世の治世に建築作業が再開されました。しかし、まもなく火災により王宮が焼失してしまいます。そして、アランフェス王宮はフェルナンド6世に委ねられて、建築家サンティアゴ・ボナヴィアによって再建されました。

その後、カルロス3世の治世に有名な建築家フランチェスコ・サバティーニによって王宮が拡張されました。ヴェルサイル様式を使って、スペインの威厳と政治的な支配を誇示するために2つの豪華な西棟が建設されています。

アランフェス王宮は世界遺産に登録されています。

イザベル2世の寝室

イザベル2世の寝室

この王宮の中で最も独特で興味深い部屋の1つは、イザベル2世の寝室です。他の王室の寝室とは異なり、雑然としています。

  • 壁掛けや豪華な模様のカーペットが特徴的なこの部屋のメインカラーはマスタードイエロー今日ではあまり使われることがない配色であり、クラシックスタイルとモダンスタイルの違いを感じさせます。
  • 家具とシャンデリアに見られる金色は、マスタードイエローを美しく引き立てています。鮮やかな茶色の木製家具は金色に対比しており、それによりさらに金色を目立たせて、部屋に温かみを与えています。まさに豪華さや上品さで溢れている部屋と言えるでしょう。
  • 天井には、バロック様式を象徴する幻想的な天井画が描かれています。
  • 部屋の隅々まで豪華な装飾が施されており、上質な素材や鮮やかな色で溢れています。その中でもひと際目を引くのが精巧に装飾が施されたロココ様式の家具でしょう。

ビリヤードの部屋

アランフェス王宮

ビリヤードは比較的新しいスポーツのようにも見えますが、実のところその歴史はとても長いのです。アランフェス王宮にはビリヤードのための部屋があり、今日の娯楽スペースとは異なる印象を与えてくれます。

幾何学的な形、動物、装飾的な模様で部屋隅々まで念入りに装飾されており、白や青などの涼しげな色を使って、サーモンピンクや木の黄土色の温かみを和らげています。

金色のアーチやモールディングで豪華な装飾が施されたビルボード台。この「伝統から外れた優雅さ」は、古典的なフレンチスタイルの特徴でもあります。

音楽室の前室

音楽室

ここでもまた、カーテンや家具にマスタードイエローが使われており、床には薄茶色のカーペットが敷かれています。壁には大きな絵画や肖像画が飾られ、高い天井には幻想的な天井画が描かれています。

唯一明るい色調に対比しているのは、壁の下半分にある深紅色の腰壁です。これで部屋に温かみを与え、黄色やクリーム色のアクセントカラーとして機能しています。

  • Junquera de la Vega, Paulina; Ruiz Alcón, María Teresa: Guía ilustrada del Real Palacio de Aranjuez, Patrimonio Nacional, 1958.