サヴォア邸の内部を見てみよう

サヴォア邸は建築史上最も重要な建物の1つとなりました。その内部の設計計画には、明確な機能性とバランス感があります。
サヴォア邸の内部を見てみよう

最後の更新: 24 10月, 2019

合理主義建築の歴史をご存知であれば、有名な建築家ル・コルビュジエによって設計されたサヴォア邸について、内部はどんな風なのか気になったことがあるかと思います。建築に対する考え方を完全に革新したため、20世紀で最も重要な建築作品の1つとしてみなされています。

一般的には、美しさ、形、構造などその外観によって建物が有名であることが多いです。一般の人々が立ち入ることができないプライベートな空間であるため、建物の内部を見る機会はほとんどありません。

このスタイルの豊かさは、内部空間、レイアウト、通路に大きく関係しています。この建物自体が芸術作品のように際立っているインテリアデザインであると言えるでしょう。このような建物がル・コルビュジエをとても有名にしました。

サヴォア邸の設計図

サヴォア邸の設計図

見取り図は、きっとあなたを欺くでしょう。これらの図面を見ると、家の各隅に4つの支柱がある四角い構造が見えるだけかもしれません。また、生活に必要なもの全てが揃った家であることもわかります。

この家では、合理主義が基本原則となっています。設計計画では、曲線よりも直線を重視した四角い家となっています。そうは言いましても、1階は直線の支配から完全に脱しています。

これら全ては、空間を透明に感じさせるためです。ル・コルビュジエは、空間を最大限に生かし、開放感があることが重要であると考えていました。彼の独創性と創造性は、この家のさまざまな部分に表れています。

“建築は光のもとで繰り広げられる、巧みで正確で壮麗なボリュームの戯れである。”

-ル・コルビュジエ-

サヴォア邸とその内部

1階:光と開放感

サヴォア邸

1階は基本的には家を支えるための円柱形の支柱で構成されており、家が浮いているように見えます。ル・コルビュジエは1階の壁を取り除き、空間に開放感を与えました。

  • ここでは機能性が幅を利かしています。目標は本当に住みやすい家を作り、できるだけ快適に過ごせることを基準としています。
  • 支柱が家を支え、透明感や開放感を生み出しています。また、さまざまなことに使用できる屋根付きの屋外空間もあります。前述したように、彼のアイデアはすべての空間を最大限に活用することなのです。
  • また、1階には円形のガラスの壁に覆われたプライベート空間があります。上の階の直線とは対照的であるため、より力強い構造となっています。上の階への階段と駐車場もあります。

サヴォア邸は、真に”住むための機械である”と言えるでしょう。

2階:生活に適応した空間

サヴォア邸

前述したように、ル・コルビュジエの主な目標は、生活に正しく適応した家を作ることでした。言い換えれば、住むために完璧であり、住人のためにできるだけ最善なレイアウトの家を作りたかったのです。その点を考慮に入れて、サヴォア邸の内部の特徴についてご紹介します。

  • 部屋を互いに一体化させ、バランスを保つ低い仕切り壁がある半透明な空間です。
  • また、窓も重要なポイントです。開放感を与えるために、高く長い窓を使用しています。自然光をたくさん取り込むことができ、日中は室内を明るくしてくれます。また、外の大きなパティオに通じるドアもあります。このデザインは、真の革命的建築なのです。
  • すべての部屋には繋がりがあります。空っぽの空間や役に立たない空間はなく、すべての空間が最大限に生かされています。機能性が重視されているので、主な懸念は住みやすいレイアウトにすることなのです。

屋上:雰囲気の混じり合い

サヴォア邸

ル・コルビュジエは、屋上アクセスのための非常に洗練された計画を立てました。洗練されていてること、屋上への距離を短くすることを目的とし、2階から屋上にかけて斜面を作ることによってこれを実現しました。

もちろん、内部空間と屋外空間が混ざり合った空間もあります。これは外で新鮮な空気を楽しむ空間があるということです。 庭を作ったことで、解放された空間となりました。

大きな窓はサヴォア邸の特徴です。孤立感を完全に失くし、代わりに自然との会話を楽しむことができるようにしました。そのため、屋上には日光浴室さえもあります。


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