プラスチックによる一体成型の椅子「パントンチェア」

25 9月, 2020
世界で最も有名な椅子の1つであるパントンチェアについてご紹介します。

ごく稀にインテリア界を永遠に変えるような新しいデザインが登場することがあります。パントンチェアもそのデザインの1つと言えるでしょう。

Sチェアともしても知られる「パントンチェア」は、デンマークのデザイナーであるヴァーナー・パントンの最高傑作の1つです。プラスチックによる一体成型で作られた世界はじめての椅子であり、そのS字型のデザインと鮮やかな色は人々の目を惹きつけます。

この作品は、20世紀の最も魅力的なデザインの1つです。作られてから50年以上経ちますが、時代を超越し、今でもその素晴らしさは失われていません。パントンチェアを置くと、モダンスタイルやクラシックスタイルのインテリアがより引き立ちます。パントンチェアはフォーマルさの敵です。

インテリアデザインブームの1960年代

パントンチェア

1960年代初め、ヴァーナー・パントンによってパントンチェアが作られます。60年代は、変化に富んだ時代であり、政治、社会、文化、そして美しさについての考え方が激変しました。

さまざまな運動や革命がインテリアデザインにも影響を与え、今までにない新しい発想や創造性が生まれました。

同時に、科学者たちは大きく技術を進歩させ、「何でもできる」といった考えを持っていました。実際、これがこの時代のモットーとなったのです。

その結果、鮮やかな色、新しい素材、そして刺激的なデザインへの需要が高まりました。

新しい運動とともにすでに確立された秩序あるデザインの人気が衰え、より斬新で革新的なデザインが取って代わりました。そして、ポップアートに密接に関連し、一時的で大量生産された新しい美しさが求めるようになったのです。

豊富なカラーバリエーション

カラーバリエーション

新しい合成物質の使用により、低コストで量産することが可能になりました。パントン自身、家にぴったりな椅子を選ぶことができるように、虹色のようにさまざまな色から選べることができると断言しています。

人々は家具を一生通して使うという考えを捨て、デザイナーによって作られた新しいトレンドに乗るようになりました。その結果、1960年代はインテリアが激変する時代となったのです。

前衛的なデザイン

赤いパントンチェア

パントンチェアは、60年代に流布していた新しいことへ挑戦する考えを反映しています。

  • 未来的なデザインと革新的な素材により、歴史に残るデザインの椅子となりました。
  • 元の形は力と優雅さを同等に組み合わせた形でした。現代美術の最高傑作と考えられている一方で、非常に快適で実用的でもあります。
  • 体の形に合わせてしなるように作られています。プラスチックによる一体成型で作られた椅子であり、頑丈で安定性があります。
  • 収納しやすいように、積み重ねができるように設計されており、とても印象的で美しいデザインです。作られてから50年以上経った現在でも、時代を感じさせず新鮮さを保っています。

パントンチェアの功績

パントンチェア

パントンのユニークなデザインは、世界中で人気が一気に広がりました。そして、元の形と軽い素材は、インテリアデザイン界とファッション界のどちらにもセンセーションを巻き起こしたのです。

革新的なデザインとして、博物館のコレクションやインテリア雑誌で今でも目にすることがあります。

パントンチェアは、常にデザイナーから高い評価を受け、国際的な賞も受賞しています。1990年代には再流行して、ファッションやメディアに大きく取り上げられてました。

そして、パントンチェアの人気が再び高まります。写真家ニック・ナイトが撮影したケイト・モスとパントンチェアの写真がヴォーグの表紙に掲載されてからは、世界で最もセクシーな椅子として考えられるようになりました。

パントンチェアは今日もなお進化し続けており、新しい技術によってより安価に製造され、手頃な価格で手に入れることができるようになりました。

  • Pesudo Chiva, María Carmen: Formas curvas alabeadas, Cultivalibros, 2009.