近代建築の巨匠-フランク・ゲーリーの作品

20世紀の最も画期的でクリエイティブでアバンギャルドな建築家の一人といえば、フランク・ゲーリーでしょう。彼は最も素晴らしい近代アーティストの一人だと考えられています。
近代建築の巨匠-フランク・ゲーリーの作品

最後の更新: 18 2月, 2021

ここ数十年で人々が関わっている芸術的ムーブメントについて、聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。その一例が、フランク・ゲーリーの建築作品です。彼は素晴らしいクリエーターで、非常にユニークなデザインの建築物を建てています。

コンテンポラリーアートにはまだまだ限界がありません。現在のところ、アートには決まったルールはなく、多くの作品が抽象的な概念をツールとして使用しています。従来の形やパターンを使わなければならないとか、新しくこういう形式を作らなければならないといったようなプレッシャーを、アーティストたちは感じていないのです。

コンテンポラリーの世界では、アーティストが自分のイマジネーションを自由に羽ばたかせ、自分を表現するための新しい方法を見つけることができます。建築の場合には、それは他の建築家とは全く違う画期的な構造として表れます。そのことがよくわかる20世紀の作品をいくつか見ていきましょう。

フランク・ゲーリーという人物

フランク・ゲーリー

カナダのトロントで1929年に生まれたこの建築家は、そのデザインからこれまでで最も偉大な建築家の一人だと考えられています。建築の学位は南カリフォルニア大学で取得していますが、ハーバードとパリでも研究を行っています。

フランスにいる間、ル・コルビュジエの作品を見る機会がありました。このフランス人建築家はゲーリーにとって大きなインスピレーションの源となりました。フランスの首都パリもまた、彼を大きく刺激し、20世紀中盤のさまざまなアーティストたちとつながる機会にもなりました。

彼が建築家としてデザインした建物は、彼が芸術の世界に存在感を示す明確なサインとなりました。彼の作品は完全に画期的なものだったのです。最終的には彼のキャリアの中で最も重要なデザインを行ったのはニューヨークでのこととなります。

「鈍いガラスの箱は冷たく、人類にフレンドリーではない。私はそのいくつかを変えようとしているのだ。」

―フランク・ゲーリー-

フランク・ゲーリーの建築の基本的特徴

フランク・ゲーリー 建築 特徴

フランク・ゲーリーの建築物には一つとして同じものはありません。彼の作品には繰り返し使われている決まった方法がないのです。また、明らかに他でもないゲーリーが手掛けたとわかるエッセンスが入っています。彼のデザインを独特のものにしている、固有な特徴のいくつかを以下にあげています。

  • まず理解すべきことは、フランク・ゲーリーが、デザインしている建物をどうとらえていたかということです。彼は、建物をかたどることのできる彫刻として見ていました。これが、彼の作品に柔軟さを感じることが多い理由です。
  • 彼が建物の実用性を見失うことは決してありませんでした。彼は誰のためのデザインか、どんな目的に使われるのかを常に意識していました。つまり、ル・コルビュジエも持っていた考えを継続していたのです。それは、機能性と見た目の美しさには重要な関係があるというものです。
  • 大きさを調整しながら、彼は建物のすべてのパーツが独特なものになるように、いろいろな構造を使っています。各パーツごとに完全にアバンギャルドなデザインとなっているのです。また、普通とは違う、建物に使われているのは絶対に見かけないような形も使っています。
  • そうは見えないかもしれませんが、ゲーリーは建物の基礎として幾何学的なデザインを常に使おうとしています。彼が行っているのは、私たちが見たときにそれが明らかではないように見せようとしているのです。形を少し変え、彼の独特の雰囲気のある美しいひねりを加えています。

作品の中の類似点

フランク・ゲーリー 作品

類似性がある二つの建物の面白い例が、ビルバオのグッゲンハイム美術館とエルシエゴにあるホテルマルケス・デ・リスカルです。この両者にはゲーリーのパーソナリティーと芸術的なタッチが強く表れています。

美術館の方は、建物のさまざまなパーツを区切り、その形を使うことでオープンな感覚を作ろうとしたものでした。こちらの方がより明確な幾何学的に感じるようになっています。ホテルの方が、より動きがあるという感覚を持っています。この建物では柔軟性が大きな役割を果たしているのです。

フランク・ゲーリーの建築物においては、ダイナミックな感覚がカギとなっているということを忘れてはなりません。これはこの二つの建物に関しても例外ではなく、形やレイアウトを独特の方法で使い、従来の建築システムを完全に解体しているのです。

どちらの建物も、イノベーションとアバンギャルドの完璧な例となっています。

フランク・ゲーリーの建築と彼のデザインの遊び心

フランク・ゲーリー 建築 デザイン

シンプルに言って、フランク・ゲーリーのデザインは建築の保守的な考えとは完全に異なるものです。彼は常に、芸術における新しい方向性や動きを感じさせるような画期的な構造を作ろうとしていました。それがわかるいい例の一つが、マサチューセッツ工科大学(MIT)です。

ゲーリーはいつも形を工夫して、建築を通して自身のイマジネーションやクリエイティビティを存分に表現しようとしてきました。中でも当ブログのおすすめが、ドイツのラインにあるヴィトラ・デザイン・ミュージアムと、ミネソタ州ミネアポリスにあるワイズマン美術館です。機会があったら、ぜひ実物を見に行ってみてください! きっと後悔はしないはずです。


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  • Haag Bletter, Rosemarie: La arquitectura de Frank Gehry, Gustavo Gili, 1988.